開幕

Ivy leaves shot in Teshima

Ivy leaves shot in Teshima

4月2日よりパルコ劇場にて「猟銃」が開幕となりました。
早々に劇場にお出かけ下さった皆様、そして、大変美しいお花や心あたたまる差し入れを下さった皆様に、心よりお礼申し上げます。

5年前の初演の際には、稽古の一ヶ月前に単身モントリオールへ渡り、友人も知人もいない街で、携帯電話の番号も変更して日本との交信を絶ち、毎日ピラティスやジャイロトニックのスタジオにて身体をつくり、朝から晩まで台本と睨めっこしていました。
宿泊していたアパートから徒歩10分の距離にあったスタジオで、ピラティスやジャイロトニックのインストラクターとして、生まれて初めて舞台に上がるたのサポートしてくれた若き女性たちとは、今でも休みがあればお互いの国を行き来しており、生涯大切にしたいと思えるかけがえのない友人となりました。

アパートで食事をする際も、レストランで外食をした際にも、台本を片時も離さず、ぶつぶつと台詞をつぶやいていたものですから、カウンターで隣り合わせた見知らぬお客様に笑われたり、訝しがられたりもしました。

再演にあたり、ドラマ「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです。」の撮影を終えて10日ほどで無理矢理詰め込んだ台詞は、脳味噌が拒絶反応を起こしそうにもなりましたが、ジムのウォーキングマシンで歩きながら、あるいは酸素カプセルの中で横たわりながら色つきの紙に印刷したオリジナルの台本を読み、かろうじて本番に間に合わせることができました。

さて、この度も共演のロドリーグ・プロトーさんは齡60にしてなお磨き上げられた身体を用いて、スローモーションのような均整の取れた動きで孤独に陥った男を演じて下さっています。
そして私は40歳、余裕で軽く演じていますと見栄を張りたいところですが、実際には瀕死のひとり三役、休憩なしの1時間40分、着物の着付けをしながら台詞を述べ、なんとか励んでおりますゆえ、どうぞ劇場にてご覧下さいませ。

猟銃

The stage set designed for ”Hunting Gun”

The stage set designed for “The Hunting Gun”

4月2日よりパルコ劇場にて上演される「猟銃」のお稽古が本日より始まりました。
2011年にカナダのモントリオールにて初日を迎えたこの作品を、5年の歳月を経て再びご覧に入れることとなりました。

実は、演じるという仕事に携わっていながら、この「猟銃」と出逢うまで、舞台の上で演技をした経験が一度もありませんでした。
「何度も同じことを繰り返すと飽きてしまうから」とか、「大きな声が出ないから」とか、「身体が硬いから」などと様々な理由をつけて逃げ回っていた舞台に初めて挑んだことは、女優としてというよりも、ひとりの人間として、多くのことに気付かされた貴重な体験でした。

それまでの私は、できない理由を探すことに時間を費やして、限りない可能性に自ら限界を設けていたように思います。
椅子や机もなく、小道具すらわずかしかない舞台の上で井上靖さんの書かれた言葉と、共演のロドリーグ・プロトーさんだけを拠り所にして演じてみると、そもそも何も持たずにこの世に生まれて来たのだということを改めて痛感させられました。
何も持っていなければ、失うものなどひとつもありません。
ただ心を劇場の空気にゆだねて、素直な気持ちで演じるのみです。

一人の男に届けられた三通の別れを告げる手紙。
妻、そして愛人、さらには愛人の娘と、三人の女性がそれぞれ書いた手紙を、独白のかたちで演じます。
胸をえぐるような哀しい愛の物語をぜひ劇場にてご覧いただけましたら、とても嬉しいです。

益子訪問

A house with warmth of woodowned by Mr.and Mrs.Gunji

A house owned by Mr. and Mrs. Gunji, filled with the warmth of wood

とある番組の撮影にて、益子に新居を構えたばかりの郡司康久さん、慶子さんご夫妻のお宅を訪れました。
長年使っていらした古い家具を随所に配した素朴で美しい一軒家は、木の温もり溢れる心地よい空間でした。
かつては同じ栃木県の日光にて作陶をしていらしたお二人ですが、ものづくりの感性を共有できる大工さんとの出逢いにより、お二人が焼き物を志したルーツでもある益子に小さなお城を築くこととなったそうです。

4月より放送のドラマ「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです。」にて、私が演じる主人公の橘みやびの部屋や、藤木直人さん演じる割烹料理店「とくら」のセットでも郡司さんの作品を使わせていただきました。

新たなお家には、施工した大工さんが京都より取り寄せたという古い木の引き戸や、郡司さんご自作のランプシェードなど、何でもない日々の暮らしが、愛おしくなるような工夫が至る所になされていて、「幸せってなんだろう」と改めて考えさせられました。

器を作る生活と、その器を使う生活が密接した美しい空間、そして、お二人から放たれる穏やかな気配に癒やされたつかの間の小旅行でした。

閉店

The studio set desined as a Japanese restaurant called Tokura

The studio set desined as a Japanese restaurant called, “Tokura”

放送に先駆けて11月より撮影していた連続ドラマ「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです。」の撮影がクランクアップを迎えました。

美容皮膚科を経営する女医で、誰もが羨むような暮らしを手に入れ、何不自由なく生きているつもりでも、久しぶりに訪れた同窓会で未だ独身であることを告げるなり、同級生たちから哀れみの眼差しを向けられた主人公の橘みやびは、ひょっとしてこれまでの生き方が間違っていたのではないかと、一抹の不安を覚えます。

女の価値はクリスマスケーキと同じだなどと誰がはじめに言ったのでしょうか。
12月25日をピークに坂道を転げ落ちるかのように価値が下落して、タイムセールの果てに廃棄されるクリスマスケーキのごとく、いずれ誰にも見向きもされなくなるとは、何と哀しいことでしょう。

歯に衣着せぬ独身女性の集いでたまたま訪れた、大人の隠れ家的な和風割烹にて、藤木直人さん演じる店主の十倉誠司より「美人、キャリア、アラフォーという三重苦を背負った恋愛弱者である」との真実をつきつけられる主人公のみやびは、売られた喧嘩を買って出て、慌てて婚活に勤しむも惨敗。
ついに藁をもつかむ気持ちで、十倉に恋愛指南を仰ぎます。
「プレ更年期のうぬぼれ女ドクター」などと、強烈になじられ、罵倒されながらも、結婚というゴールを目指して奮闘するみやびを演じた4ヶ月間が昨夜で終わりを迎え、いよいよ「とくら」も閉店となりました。

「Nのために」を拝見して以来、いつかご一緒させていただきたいと願っていたプロデューサーの新井順子さんと、美しい映像と、丁寧な心理描写で視聴者を虜にしていらした監督の塚原あゆ子さんが、新たな扉を開く機会を与えて下さいました。
心に響く重めの作品を作っていらしたお二人ですが、この度は、徹底的な男目線で書かれた水野敬也さんの恋愛論「スパルタ婚活塾」を原案に、脚本家の金子ありささんによる軽妙で愉快な物語と台詞が加わって、笑えて、ちょっぴり泣けて、そして使えるテクニック満載の愉しいドラマとなりました。

金子ありささん自ら書かれた企画書をいただいた際、その日のうちに移動中の車で目を通すも、あまりの愉快さに声を上げて抱腹絶倒したことは決して忘れません。
あの企画書で恋に落ちたこの作品は、実際に撮影が始まってからも、飽きっぽい私の心を捕らえて決して離さず、最後までドキドキさせてくれました。

極寒の撮影にもかかわらず、笑いの絶えない現場にしてくださったスタッフ、キャストの皆様に、改めて感謝申し上げます。

「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです。」は4月より毎週金曜夜10時放送予定です。
是非、ご覧下さいませ。

Mouton Rothschild meets Lee Ufan

Mouton Rothschild's 2013 label design by Lee Ufan

Mouton Rothschild’s 2013 label design by Lee Ufan

フランスが世界に誇る五大シャトーのひとつに数えられるムートン・ロットシルトの2013年のヴィンテージがようやく市場にお目見えしたそうです。

20代の多くをパリとの往復に費やしていた頃に、手頃なワインでも十分に美味しいことを友人たちから教わったため、美味しいワインと、そうでないワインの違いくらいはもちろんわかりますが、美味しいワインと美味しいワインの違いを理解するにはまだ至らぬ無粋な私ですが、この度の発売にはことのほか興奮しています。
1945年以来、パブロ・ピカソやジャン・コクトー、アンディー・ウォーホルなどと、毎年異なるアーティストにラベルの画を依頼することで、アートに多大なる貢献をして来たシャトーのラベルとしてこの数年心酔している現代アーティスト李禹煥さんの絵画が貼付されているのですから。
中国にはかつて牧谿が存在し、日本には長谷川等伯が存在し、ロシアではマーク・ロスコが生まれたように、隣国の韓国では李禹煥さんが生まれました。私にとって、その四者に優劣は付けがたく、等しく価値のある画家であると思っています。

ポイヤックのシャトーにて、大切に育まれてきたぶどうの木々ですが、2013年は受難の年であったと言います。嵐に見舞われ、他のシャトーも含めて半分以上のぶどうが残念ながら期を待たずしてその果実を失ってしまったとのこと、幸い収穫期ギリギリになって天候に恵まれ、カベルネ・ソービニヨンがふくよかに熟してくれたため、農作業に従事する方々が9日ほどで慌てて摘み取り、樽詰めに辛うじて間に合わせたようですが、例年に比べて市場に出回る数が著しく少ないヴィンテージとなり、すでに争奪戦が予想されます。

混合率はカヴェルネソーヴィニオンが89%、メルローが7%、カベルネフランが4%。ぶどうの収穫量は残念ながら記録的に少なかったものの、質は誇れるものであったそうで、驚くべきことに、通常は5年から10年をかけてボトルの中で熟成し、飲み頃を迎えるワインですが、2013年のボトルはすでにあとわずかで口に含んでもよい頃合いになっているとのお話しを伺いました。

実は、半年ほど前に、フランスよりバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社の会長であるフィリップ・セレイ・ド・ロスチャイルド男爵が日本にお見えになった際に、「フランス語か英語を話せる方を伴って」という友人のリクエストのもと、お食事会にお招きいただきましたが、果たしてどなたにお声がけするか、考えあぐねておりましたところ、ふとヴェルサイユ宮殿での個展をなさったばかりの李禹煥さんはいかがだろうかと思いつきました。パリのアトリエを拠点にヨーロッパにおいでになることも多い李禹煥さんですが、幸運にもお電話に出てくださいました。
そして、なんと「実は、先日2013年のラベルに採用されることが決まったばかりなんです」とおっしゃるではありませんか。

この度のラベルには、李禹煥さんのライフワークとも言える、石と顔料を混ぜ合わせて編み出した画材を、幅広の刷毛でキャンバスに塗っただけの、深海の静けさのような、宇宙の果てにいるかのような孤独すら感じさせる照応シリーズを、ボルドーカラーにて表した唯一無二の作品がプリントされています。

日本のお茶席では、お抹茶としつらい、そして器が人と人とを繋ぐ大切な役割を果たして来ましたが、芳醇なワインと美しいアートもまた、人と人とを繋ぐ架け橋となるのですね。

Pearl Diving

Simon Fujiwara’s Exhibition at TARO NASU in Higashi Kanda

Simon Fujiwara’s Exhibition at TARO NASU in Higashi Kanda

東神田の現代アートギャラリー「TARO NASU」にて開催中のサイモン・フジワラ氏による展覧会「Pearl Diving」を鑑賞して参りました。

日本人の父とイギリス人の母を持ち、ケンブリッジ大学にて建築を、フランクフルト造形美術大学にて美術を学んだ若き精鋭サイモン・フジワラ氏は、自らのパーソナルな体験に基づいた作品により、世界中で賛否のセンセーションを巻き起こしています。

今回の展示では、MIKIMOTOの真珠にまつわる作品を堪能することができました。
1893年に世界で初めて真珠の養殖に成功した御木本幸吉は、あこや貝の中に異物を入れることで、真珠の核を作り、その核の周囲に真円の美しい粒が形成されるという手法を確立しました。
サイモン・フジワラ氏は、異物を移植された真珠を一粒ずつ毎日飲みこむことで、真珠が形成される際に辿ったプロセスの再現と逆行に試みます。
カルシウムとマグネシウムが組成の多くを占める真珠は、水や酸により変性するとのこと、サイモンの胃の中で、消化された真珠は、黄色く変色したり、黒褐色になったり、溶解して変形したり、その日に口にしたものや、体調により、変化の仕方も様々なそれらが、飲みこんだ日付に従って真っ白な空間に等間隔で展示されているのです。

果たして彼がどのようにそれらを取り出したのかは、ご想像にお任せしますが、ギャラリーの入り口に掲示されたサイモンの胸部レントゲン写真には、飲みこんだパールがはっきりと投影されていました。

他にも、かつては富の象徴としてもてはやされたものの、今や時代的な流れから身に着けることをはばかられるようになって廃棄寸前となった毛皮のコートから毛を取り除き、継ぎはぎの縫い目が露わとなった皮をキャンバス状に仕上げた作品が、我々の価値観に疑問を投げかけます。

虚実が入り交じった作品を世に問うことで、鑑賞者の常識や習慣、信念そのものに揺さぶりをかけるサイモン・フジワラ氏は、私たちの想像を遥かに超えて、新たな作品を作り続けることでしょう。
時にはユーモラスに、時には皮肉混じりに、時には真摯に、社会の根底にある問題を見つめ、そして、私たちが目を逸らしがちな現実にそっと目を向けさせてくれる彼の作品をこれからも見続けたいと思います。

サイモン・フジワラ氏は東京オペラシティのアートギャラリーでも「White Day」と称する展覧会を併催中です。

不惑

Stirling Castle in Stirling of Scotland

Stirling Castle in Stirling of Scotland

昨日で40歳になりました。
ありがたいことに、撮影中のドラマ「私、結婚できないんじゃなくて、しないんです。」の現場にて、スタッフ、キャストの皆様があたたかく、愉快にお祝いしてくださいました。

ようやく憧れだった40代に足を踏み入れることができたのです。正直なところ、これまでの道のりは、ずいぶんと長く感じられました。
触れたいと思うもの、訪れてみたい場所、愉しいと思えることも、全て大人の特権のようなもので、若い時分にははるか遠くに感じられて、追いつこうと必死で背伸びをしていたように思います。
ようやく本当に好きなものや、好きなことを誰の目もはばかることなく好きだと言える年齢になれた安堵感と、まだまだ目指すべきは彼方にあるという自戒の念が混在しています。

不惑とは言え、惑いながら生きるのでしょうけれど、それでも、以前にも増して愉しいことが訪れる予感がしてなりません。
皆様にも幸多からんことを、心よりお祈り申し上げます。

松林図屏風

Shōrin-zu byōbu painted by Tōhaku Hasegawa exhibited at Tokyo National Museum in Ueno

Shōrin-zu byōbu painted by Tōhaku Hasegawa exhibited at Tokyo National Museum in Ueno

東京国立博物館にて、敬愛する長谷川等伯の「松林図屏風」を拝見して参りました。

同じ時代に名を馳せた狩野派の最大のライバルとも言われ、雪舟五代を自称していた等伯は、能登の七尾で生まれ、職を求めて上洛し、時の権力者であった豊臣秀吉や千利休との交流などを通じて、日本絵画史にその名を深く刻みつけました。

遠目から六曲一双の屏風を眺めると、鈍色の空と、茫洋たる防砂松林が延々と続く能登の日本海沿岸を想起させられます。
生まれ故郷の原風景を想って描いたのでしょうか。あるいは、愛息久蔵を失った哀しみをたたえているのでしょうか。
離れて見ると柔らかく、繊細な筆致に見えますが、ひとたび近づいてみると荒々しさと共に、緻密な計算も見受けられます。
それでいてやはり、心に静けさがもたらされるのです。

こちらの作品を巡っては諸説あり、下絵なのではないかという考えもあるそうですが、東京国立博物館の学芸員でいらっしゃる松嶋雅人さん曰く「それにしては、当時絵の具よりも貴重だった良質な墨を惜しむことなく使っているんですね。ほらあんなに艶のあるいい墨を使っている。私は本画だったと思っています」とのこと。
更には、印は等伯の伯という字を誤っており、画は確かに等伯によるものだけれど、印については、等伯の工房に近い人間が後から押したものだというのが有力な説として伝わっているそうです。

この作品が本画であっても、下絵であっても、等伯によるものであっても、そうでなくとも、一向にかまいません。
日本画の極みとも言える、墨の濃淡のみで、これほどまでに控えめでありながら、圧倒的な印象を残すこの作品が大好きです。

「松林図屏風」の公開は1月17日まで。

謹賀新年

“Chabako” designed and made by Akito Akagi, exhibited at Tokyo in Nishiazabu

“Chabako” designed and made by Akito Akagi, exhibited at Tokyo in Nishiazabu.

新年あけましておめでとうございます。
例年通り快晴の東京は人の気配も少なく、空気が澄んでいて、過ごしやすいです。

昨日は除夜釜と言って、一年を締めくくるお茶会にお招きいただいていたのですが、数字に弱く間抜けな私は、てっきり夜の11時からだと勘違いをしておりまして、髪結いさんや、昼寝がてらのマッサージ、そして帰りの足などを完璧に手配したつもりでいたものの、なんとお昼の11時から会は始まっていたとのこと、気付いた頃には時すでに遅し、お開きになった後でした。

お茶会の開催に当たっては、お客様へのご案内に始まり、お道具選びにお料理やお菓子の手配、当日のお掃除にしつらえなど、微に入り細に入りお客様を喜ばせるための工夫をしてらっしゃるでしょうから、人数が狂うとご迷惑になるはずなのですが、さすがは懐の大きなご亭主様、笑ってお許しくださいました。

今年こそ人様にご迷惑をおかけしないよう反省しつつ、挑戦と失敗を重ねて成長したいと思います。

来たる一年が、皆様にとって更に充実したものとなりますように、心よりお祈り申し上げます。

松樹千年翠

The pine tree potted in to Imari Porcelain by Hanamasa in Kyoto and the lacquer tray hollowed out and painted by Syuzo Shingu.

The pine tree planted in an Imari Porcelain cup by Hanamasa of Kyoto, with a lacquer tray carved and painted by Syuzo Shingu.

4月より放送予定の連続ドラマ「私、結婚できないんじゃなくて、しないんです。」の撮影にて、奔走する日々です。
孤独に年を重ねるか、あるいは素敵なパートナーと巡り会えるのか、40代を目前に控えて焦る女心を、強烈な毒とわずかなエロスを込めてリアルに、そして痛快に描くラブコメディで私が演じるのは美容皮膚科を経営する女医で、友人達とたまたま訪れた和風割烹の、傲慢で気難し屋で、毒舌の店主より恋愛指南を受ける主人公です。

毎日朝から晩までの撮影はさずがに身に堪えますが、京都の生花店「花政」さんにお勤めの福山重文さんと、古今の器や美術を扱う「昴-KYOTO-」の永松仁美さんより、古伊万里のそば猪口に植え付けられた松をお贈りいただき、幸せな気持ちになりました。大好きな白磁のお猪口は幼少時より骨董に慣れ親しんでいらした仁美さんによるセレクトで、彼女の信頼する福山さんが、愛情をこめて植え付けをして下さったそれを、新宮州三さんの刳りのお盆に載せて玄関に飾らせていただきました。
お陰様で清々しい気持ちで新年を迎えることができそうです。

忙しい時にこそ、季節の移ろいに目を配り、植物を愛でる時間を大切にしたいと改めて思います。
東京では「花長」さんが、京都からは「花政」さんが、いつも私のささやかな幸せを支えて下さっています。

どうぞ皆様も佳きお年をお迎えくださいますよう。

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