雪国

In the mountains of Salzburg

In the mountains of Salzburg

ただ今、ウィーンより電車で2時間半ほどにあるザルツブルグの山中に滞在しております。
1年のうち4ヶ月ほどは雪に覆われるというこの街は、ご存じの通りモーツァルトの生まれた場所として、絶えず多くの観光客が訪れています。

若かりし頃より、いつの日かザルツブルグ音楽祭を訪れてみたいと思っておりながら、生来の無精者ゆえになかなか重い腰が上がらぬまま今日に至りました。

外気がマイナス15℃になることもしばしばですが、暖炉に薪をくべ、空気を回しつつ火を起こし、その火を絶やさぬよう頃合いを見計らって新たな薪をくべることの繰り返しは、忙しい撮影の日々では考えられないほど贅沢な時間です。

近所のスーパーマーケットでは、オーストリア名産のパンプキンシードオイルなるものを発見し、ホワイトバルサミコとともにサラダのドレッシングに用いてみましたが、まるで炙ったような香ばしい風味が食欲をそそり、憎らしいことに皮下脂肪が肥大しつつあります。

皮下脂肪をそのまま放置するのも何なので、ずっと憧れだったスノーシューにも初挑戦してみました。
1メートルほど積もったふわふわの新雪に足を踏み入れ、キュッキュッと音を立てながら誰ひとりいない山中の雪原を歩くのは至福の極みです。
そして、スノーシューでカロリーを消費したことを言い訳に、再び食欲を満たす怠惰な日々を過ごしているのです。
読まなければならない本も、観なければならない映像もたくさんあるのですが……。

謹賀新年

Vienna State Opera

Vienna State Opera

あけましておめでとうございます。
よき休暇をお過ごしでいらっしゃいますか。

先週より、海外から訪れた友人に自宅を明け渡し、ウィーンに滞在中です。
毎日のように上演されるオペラやバレエを時間に追われることなく鑑賞することができることは何よりも嬉しいことです。時差ボケで時折うたた寝をしつつではありますが、少なくともよだれだけは垂らさぬよう、心がけたいと思います。

一昨日は幸運にも楽友協会にてウィーンフィルのニューイヤーコンサートのリハーサルに立ち会うことが叶い、グスターヴォ・ドゥダメルの情熱的でユーモア溢れる指揮のもと、軽やかで奥行きを感じさせる音楽の数々に耳を傾けて参りました。

客席にはドゥダメルの母国ベネズエラより、ユースオーケストラのメンバーが40名ほどキラキラと目を輝かせていました。彼らにとって、世界最高峰の一つに数えられるオーケストラの演奏を生で体験し、自国が誇る指揮者が導く姿を目の当たりにすることができることは、どれほどの喜びでしょう。

詳しくは小説幻冬の3月号にて書かせていただきますが、ニューイヤーコンサートの本番は、ヴィヴィアン・ウエストウッドによるデザインで仕立てられた新たなコスチュームに身を包んだ彼らの姿が見られるようです。
その模様は世界90カ国にて生中継されており、日本でもNHK Eテレにて19:00より放送されます。

また、今宵は街中の至る所にてジルベスターコンサートが開催されており、由緒あるウィーン・コンツェルトハウスにて、ウィーンフィルとベルリンフィルの精鋭による管弦楽アンサンブル、フィルハーモニクスのジルベスター・ガラに出かける予定です。

実は、せっかくのジルベスター・ガラですから、日本より着物を持参したのですが、愚かにも肝心な長襦袢を添えることを忘れておりました。長襦袢の清潔な半襟なしに着物をまとうことは不可能でして、超過料金を支払ってまで持ち込んだ着物が無用の長物となり果てました。
念のため東京にて私の部屋に滞在している友人に頼んで国際郵便で発送したものの、税関も郵便局もクリスマス休暇で人員不足のようで、長襦袢が届く気配は一向にありません。仕方なくリトルブラックドレスでお茶をにごすこととなり、己の不甲斐なさに呆れるばかりです。

何はともあれ、しばしの間、音楽の都を楽しみたいと思います。
皆様にとって、素晴らしき1年でありますように。

静かなる死闘

A construction site in Kowloon of Hong Kong

A construction site in Kowloon of Hong Kong

訳あって香港を訪れました。日中の気温が20℃と暖かく、かつて映画で見たような混沌とした街をガイドブックなしで歩くことも苦にはなりませんでした。

さて、今宵は日曜劇場「IQ246」の最終話が放送となり、織田裕二さん演じる法門寺沙羅駆と、私の演じるマリア・Tとの最終決戦が繰り広げられます。

撮影が終了してしまえば、劇中で使用していたセットも取り壊しとなります。保管料を支払うほどゆとりがあるわけではなく、また保管したところで特徴のあるセットを他の作品で使い回しする訳にもいかず、全てのパーツは破棄されるのです。

今回の法門寺家のセットやマリア・Tの光と闇の部屋も、美術スタッフの方々がかなり力を入れて作った下さったもので、惜しまれながらも解体となりました。

暇つぶしとして事件に介入する法門寺沙羅駆と、犯罪者を影で操ることに喜びを見出すマリア・T。敵でありながらどこかで惹かれ合う二人の結末を21:00より、ぜひご覧くださいませ。

因みに、撮影中に使用している化粧品は、スキンケアもファンデーションも、もちろんTV&MOVIEです。

師走

The office was turned into Maria T’s hideout

The office was turned into Maria T’s hideout

昨晩を持ちまして、ドラマ「IQ246」の撮影が終了いたしました。

かつてドラマ「ケイゾク」や映画「自虐の詩」にて大変お世話になったプロデューサーの植田博樹さんにお声がけいただき、この作品に出演させていただくこととなりました。

一足お先に犯罪者マリア・Tの衣装を脱ぎ捨て、何でもない日常生活に戻りますが、木村ひさし監督、織田裕二さんを筆頭に、スタッフ、キャストの皆様は最終話の放送ギリギリまで撮影が続きます。

織田裕二さんは、常に台詞や所作のひとつひとつを綿密に練りつつ溢れるユーモアで現場を和ませ、土屋太鳳さんは深夜に及ぶ撮影の合間にも疲れた顔を見せることなく「伊勢物語」を読みふけり、ディーン・フジオカさんは、法門寺家に据えられたピアノを軽やかに弾くという、自由で穏やかな現場でした。

今年も残すところあとわずかとなりましたゆえ、これより大掃除に励みたいと思います。今年は思い切って20年以上所有している本にも見切りを付け、省スペースを心がけるつもりです。作品が終わる度に儀式として行っている、シュレッダーによる台本の裁断も、ためらうことなく敢行します。「IQ246」の台本の表紙には、IQを試されるようなクイズが印刷されており、新たな台本が届くごとに無い知恵を絞って考える時間を楽しみましたが、それらとも本日でお別れです。

皆様の日常も穏やかで充実したものでありますように。

TBSの日曜劇場「IQ246」第9話は今夜21:00放送です。ぜひご覧くださいませ。

マリア・T

Wabisuke camellia arranged in a vase made by Kenta Anzai

Wabisuke camellia arranged in a vase made by Kenta Anzai

IQ246の撮影で昨晩も遅くまで都内某所におりました。
撮影もあとわずか2話となり、いよいよ佳境に入って参りました。

6話まで誰よりも死体と法門寺沙羅駆を愛する監察医朋美として出演させていただいておりましたが、それは偽りの姿で、実際には織田祐二さん演じる法門寺を凌駕するIQの持ち主で、人を殺めたいという欲求を持つ人間を影で操る知能犯マリア・Tだったのです。

黒づくめの衣装は、アレキサンダー・マックイーンのものでして、切り絵にしてもマリア・Tだと認識できるシルエットを大切にしました。
網タイツに足を通したのは、久々でして、気付くと後ろ姿のシームがずれており、本番前に一直線の美しいラインに整えなければならないことが少々億劫です。

光と影の部屋から指令を送るマリア・Tですが、彼女が紅茶を口にする際に使用しているティーカップは、福島の郡山に窯を構える安齋賢太さんにお作りいただいたものです。
黒田泰蔵さんのお弟子さんであった方で、陶胎漆器といいまして、焼いた陶器に漆を塗り、何度も磨きをかけて艶を消し、マットでノーブルな質感を出すことを得意となさっています。
本来ならば、器を焼いてから塗布した漆を乾燥させるために2〜3ヶ月を要するところ、私の必死のお願いによって撮影間際に1ヶ月弱で完成させてくださいました。

選ぶ器ひとつで、その人の生き様まで見えてしまうものだと思っており、新たな役柄を演じる際には、どのような器が似合うのか、衣装や部屋のセットと同じくらい大切なものなのです。
因みに変態の朋美はビーカーに出汁を入れておりましたが。

TBSの日曜劇場IQ246第7話は今夜21:00放送です。
どうぞご覧下さいませ。

かみ添

Kamisoe, a little shop of hand-printed paper in Kyoto

Kamisoe, a little shop of hand-printed paper in Kyoto

雑誌ミセスの取材にて京都を訪れる機会に恵まれました。
炭屋さんでは、一足お先に蓬莱飾りなどのお正月のしつらいを愉しみ、一服のお茶を喫することができました。
また、井上八千代先生の京舞を間近で拝見するという幸せなお時間もいただきました。
詳しくは1月号のミセスにてお読みいただけましたら嬉しいです。

空き時間に自転車にて訪れたのは、大徳寺の近くにお店を構える唐紙のかみ添さんです。
雲母(きら)と呼ばれる粉末状の鉱物から作られる顔料を用いて、木製の型による手刷りで古今東西の文様を和紙に刻む嘉戸さんのお仕事は、手書きの良さが忘れ去られつつある今日の私たちに、大切なものを残そうとしているように見受けられます。

便箋、ポチ袋、メッセージカードなど、女心をくすぐられる品々が、かつて銭湯を営んでいた古い建物の一角に陳列されており、この度は、ひとつとして同じ物のできない刷毛塗りのメッセージカードを求めました。

自転車で京都の町を疾走したのははじめてでしたが、なかなか良いものですね。
道を誤って訪れた宝ヶ池の紅葉のなんと美しかったことでしょう。

TBSの日曜劇場「IQ246」は明日21:00より放送です。
6話は、「殺される価値のない男」と沙羅駆が見積もる男の他殺体についての物語です。
私の演じる朋美にも少しだけ変化が訪れます。
ぜひご覧くださいませ。

小説幻冬

Golden hour at Enoshima

Golden hour at Enoshima

2005年より11年間にわたって続けて参りました「パピルス」における隔月連載「女心と秋の空」が終了いたしましたが、10月27日に幻冬舎より新たに発行された「小説幻冬」にて再び書かせていただくこととなりました。
「文はやりたし」と題する連載で、自ら心動かされた体験を読者の皆様にお伝えすべく、毎月締め切りギリギリで原稿を提出させていただく次第です。

2ヶ月ほど前には締め切り日がスケジュールに刻まれているので、その気になれば、あらかじめ書くこともできるはずにもかかわらず、なぜこうも毎度ギリギリの崖っぷちになるまで原稿を書こうとしないのか、己の愚かさに呆れ気味ではありますが、かろうじて入稿には間に合わせております。

タイムマネージメントを完璧にこなせる立派な女性に憧れますが、残念ながらそのような素養は全く備わっておらず、怠惰な日々を過ごすばかりなのです。
そして、平素より決められたスケジュール通りに仕事をしなければならず、自由が利かない反動から、プライベートくらいは誰にも縛られたくないというのが本音でして、休日は無計画に心のおもむくままに過ごすことが大好きです。

「小説幻冬」は、私の連載よりもはるかに、熟練の先生方や、時代を象徴する作家さん方の連載が魅力的です。
読書離れが叫ばれて久しいですが、皆様のお手元においていただけましたら嬉しい限りです。

また、TBSの日曜劇場「IQ246」は毎週日曜21:00より放送中です。
次回は、ディーン・フジオカさん演じる法門寺家執事の賢正の淡い恋の物語ですので、ぜひご高覧くださいませ。

AGNES MARTIN

Agnes Martin exhibition at the Solomon R. Guggenheim Museum in New York

Agnes Martin exhibition at the Solomon R. Guggenheim Museum in New York

訳あって、ただ今ニューヨークにおります。

こちらを訪れる度に必ずと言っていいほど立ち寄るのが彼のフランク・ロイド・ライトが設計したらせん状の回廊式美術館、グッゲンハイムです。

この度も、素晴らしい画家との出逢いをもたらしてくれました。
アグネス・マーティンはカナダ生まれの女流画家で、幾何学的な線や格子を描き続けました。
白く塗りつぶしたカンヴァスはただの白ではなくよくよく見ると、鉛筆で惹かれた横線の間に淡いグレーやブルーが浮かび上がります。
同じように見える白い正方形のカンヴァスが12枚ほど羅列された空間に足を踏み入れた瞬間、日本との時差で朦朧としかけていた意識が澄み渡り、肺の隅々まで酸素が行き渡るような平穏が訪れました。

油彩やアクリルを用いた作品たちは、いずれも繊細な筆致で描かれており、薄く引かれた絵の具は、これでもかという押しつけがましさが皆無で、鑑賞者にゆっくりと呼吸をする余地を残してくれています。
素晴らしい絵画に出逢う度、呼吸が楽になるか、あるいは呼吸が止まりそうになるのですが、アグネス・マーティンは前者でした。

作品の多くはグレートーンで描かれており、その中に時折薄いローズや黄色などの作品が混在しています。

画家本人にインタビューを試みたショートフィルムでは「私は恐れなどのネガティブな感情は描かないわ。ただ愛と美と幸福を描くのみ」と述べられています。
そうです、彼女の作品からは愛と感謝と生きる喜びがほとばしっているのです。
しかし、「絵を描いている時間は、憂鬱とは無縁になるの。悲劇は繰り返されるべきではないわ」という言葉からは、長年苦しめられたという統合失調症の影が顔を覗かせています。
たとえ作品を描くモチベーションが苦しみから発したものだったとしても、彼女が筆を握っている間、考えることをやめ、空っぽになってインスピレーションにゆだねて生まれたものには、心地よい空虚感がただよっています。

ニューメキシコ州の老人ホームで過ごしたという晩年の作品には、わずかに鮮やかな色彩への回帰が見られ、2004年に92歳でなくなる直前に再びまた美しいグレートーンに戻りますが、その過程から、全てを受容し、死さえも受け入れていることが見受けられます。
彼女が傾倒していたという道教などの東洋哲学の影響なのでしょうか。

展示されていた若い女流アーティストに向けたアドバイスの直筆メモが、芸術に身を捧げる人々に救いをもたらします。

「アーティストの生涯は、社会から断絶された自給自足の暮らしのようなものです。
最も注力すべきは、精神がインスピレーションに目覚めることです。
ただひたすらにインスピレーションに従ううちに、いつしか創作を通じてのみ自らを見出し、まさにそれが幸せなのだと気付くのです。その喜びは何ものにも代えがたきものです。
アーティストの人生は、風変わりで、人様の敷いたレールの上を行くようなものではありません。痛みを伴いつつも自らのおかれた境遇と葛藤しつづけるのです。
異端ではありますが、実のところ、それこそがインスピレーションに導かれた生きる道なのです」

日曜劇場「IQ246」は、16日21:00時よりTBSにて放送です。
ぜひご期待下さいませ。

hadakara

hadakara, a brand new body wash product manufactured by LION

hadakara, a brand new body wash product manufactured by LION

日毎に秋も深まり、いよいよお肌の乾燥が気になる季節となって参りましたね。

さて、LIONより、3年の歳月を費やして開発されたという新たなボディーソープ「hadakara」が、満を持しての発売となり、日曜劇場「IQ246」でも共演中のディーン・フジオカさんとご一緒に、新CMの発表会に出席させていただきました。

吸着保湿処方などという日本初のめざましい技術により、身体を清潔に洗ってくれる一方で、保湿成分が洗い流されずにお肌に残ってくれるという画期的な商品です。
LIONの調査によると、日本人女性の多くは肌の乾燥を感じているものの、顔のケアに比べてボディーケアを怠りがちだとのこと、なんと91%もの女性が、「身体のケアを入念にする時間がない」との結果が出ているそうです。

かく言う私もその1人でして、さずがに四十路を迎えましたので、必死に顔のスキンケアはするものの、「ボディーは見えないからいいか…」と、手抜きをしておりました。
人様からはストイックだと思われることが多いのですが、実際の私は、女優にしてはあるまじきズボラ加減に、呆れられるほどです。
生来の無精者にとっては、ボディーケアをする時間があるならば、5分でも、1分でも長く眠りたいというのが本音でして、人前に出る仕事をしていなければ、美容室に行くことすら億劫に感じる質なのです。

しかし、この度発売となる「hadakara」は、仕事に家事にと忙しい女性を、保湿ケアの煩わしさから解放してくれる、頼もしい商品です。
フローラルブーケ、リッチソープ、フルーツガーデンと、3種の香りを満喫しつつ、潤いのベールに包まれるような感覚を味わっていただけましたら幸いです。

勝山健史 織物展

Takeshi Katsuyama Exhibition at Aoyama Yagi

Takeshi Katsuyama Exhibition at Aoyama Yagi

光沢のある美しい絹糸を染め、美しい織物に変化させる染織家である勝山健史さんの展覧会が、シンプルで洗練された着物を得意とする呉服店、「青山八木」にて開催中です。

機織りの工房は京都にありながら、長野においても養蚕を手がける勝山さんは、「斉民要術」と題する6世紀に書かれた中国の農学に関する文献から学んだという「塩蔵繭えんぞうまゆ」と称する技法を用いていらっしゃいます。
現代の絹糸は、西洋文化の浸食を受けて工業化の一途をたどり、節のない均一なものが求められるそうです。
「シルクのストッキングってあるでしょう?あれが基準になってしまって」とのこと、本来は天日干し、あるいは塩蔵、または土中への埋蔵によって生きた繭の命をなきものとするのですが、近頃では温風によって一気に乾燥させることで、絹が含有していた水分や油分を必要以上に奪うため、確かに均一ではあるけれど、美しい艶や柔らかな肌触りは失われてしまうのだとおっしゃいます。

塩蔵繭とは、布の上に塩を敷きつめた上に繭を置き、更に塩と布を重ねて土中で埋蔵することにより、さなぎを酸欠に陥らせ、長期保存が可能になる上、光沢のある柔らかい糸が採れるのだそうです。
コンピューターで制御されたかのようにお行儀のよい糸ではなく、少々ばらつきはあるものの、自然で美しい糸を紡ぎ、それを美しいと感じる審美眼のある方がまだいるはずだと信じていらっしゃるのでしょう。
勝山さんのこだわりは、繭だけではありません。中国、スペイン、オランダ、イタリア、フランス、ペルシャなどと世界中の古い文様を創作の源に、ご自身の肉体を織機の一部として用いる地機という昔ながらの方法で美しい反物を織り上げていらっしゃるのです。
奈良の正倉院に所蔵の古裂なども、唐やペルシャからの影響が多く見受けられるのと同様に、伝統的な織物に世界各国の息吹を取り入れることによって、現代でもためらうことなく着用できるモダンな作品となるのですね。

この度の展示で心惹かれたのは、ルーマニアの文様をアレンジし、黒地にグレーの糸で表現した名古屋帯で、漆黒に浮かび上がる文様が絹糸そのものの持つ光沢の効果で銀色に見える作品でした。

美しいものに触れると、心に栄養を注がれたような感覚をおぼえ、この上なき幸せを感じます。
演じるという仕事をする上で、いえ、この仕事をしていなくとも、最も大切にしている、心動かされる瞬間であり、生きがいなのです。

スペシャルドラマ「模倣犯」第2夜は本日21:00より放送です。
史上最悪の連続誘拐殺人事件の結末を見届けていただけましたら嬉しいです。

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