DIARY
東京千穐楽

Jakuchu Ito’s exhibition at the Tokyo Metropolitan Art Museum
昨日を持ちまして、「猟銃」の東京公演が全て終了いたしました。
貴重なお時間を割いて劇場へお越し下さった皆様、誠にありがとうございました。
これより新潟、京都、豊橋、兵庫、福岡と巡って参りますゆえ、各地で、皆様とお目にかかれますことを心待ちにいたしております。
さて、ただ今、上野の「東京都美術館」にて、「若冲展」を開催中です。
私もオーディオガイドを担当させていただいたおり、昨日の終演後に駆け込みで訪れてみました。
華やかな極彩色の「動植綵絵」や「鳥獣花木図屏風」などでよく知られる若冲の絵ですが、個人的には鹿苑寺の「葡萄小禽図襖絵」や、大阪にある西福寺の襖絵を軸装した「蓮池図」のような墨の濃淡だけで描かれた水墨画が好みです。
とりわけ、写真の「蓮池図」は、空間恐怖症的に緻密な描き込みをする若冲にしては珍しく、余白を存分に取った構図に心癒やされます。
花開いた蓮がやがて花びらを落とし、枯れ蓮となるまでが描かれており、それがまるで人の一生のようにも見えます。
更によく見ると、左から二幅目の端のほうに、朽ちてゆく蓮のなかにすっくと立ち上がる蕾がのぞいています。
若冲はこの絵にどのような意味をこめたのでしょうか。
この度の目玉は、「動植綵絵」33幅と,「釈迦三尊像」3幅を同時に鑑賞出来る上、鹿苑寺の襖絵や、ジョー・プライスさんのコレクションなども出揃っていることだそうです。
ぜひ実物をご覧にお出かけ下さいませ。