DIARY
兵馬俑

The exhibition of The Great Terracotta Army of China’s First Emperor
撮影の合間に、好奇心を刺激する大人の遊び場を求めて上野を訪れました。
それは、私が生まれる2年ほど前にとある農夫によって発見されたそうです。
中国大陸を初めて統一したという秦の始皇帝は、13歳の折に即位して間もなく自らの陵墓の建立とそこに副葬する品々の製作を命じたとのことです。7つの大国が戰を交え、絶えず牽制し合っていた世において、人質として他国に囚われた母より生まれ、また、未遂に終わったものの、二度までも暗殺されそうになった始皇帝は、常に死を身近に感じていたといいます。
周の時代まで、殉葬といって王が逝去した際に、侍従の者たちも命を絶って共に埋葬されたとのこと、時代の変遷とともに殉葬を廃止した代わりに、8000体にも及ぶ兵士や馬をかたどった陶製の像が始皇帝の陵墓の傍らに埋められたとのことでした。
東京国立博物館には、中国政府によって持ち出すことが許された貴重な10体が、始皇帝ゆかりの品々と共に展示されています。
権力の権とは、単位を決める基準となる重りのことで、重さや長さなどの基準を決めるということは、世の中の全てを司るということから、権力という言葉に繋がるのだと初めて知りました。半両銭という江戸時代の寛永通宝にも通ずる円形の貨幣が初めて作られたのもこの頃だそうです。
また、水道管などの展示もあり、日本ではまだ弥生時代に当たる当時、氾濫した川による水害を避けるための治水工事がすでに行われていたことに驚かされました。
大都会の中心にて、世界各国のお宝を拝見し、つかの間のタイムスリップを味わうことができるのはなんと幸せなことでしょう。
写真掲載の作品名は「騎馬俑」です。
所蔵先は咸陽市文物考古研究所。 展覧会の開催は2016/2/21まで。