BVLGARI

Flagship store of BVLGARAI in Rome

昨夏のことですが、婦人画報の撮影にてローマを訪れ、BVLGARIの本店へ立ち寄らせていただきました。

彼のソフィア・ローレンやエリザベス・テイラーが愛したという色石を得意とするBVLGARIの贅沢なジュエリーを撮影のわずかの間でも身に着けたことは、千穐楽を迎えたばかりの『黒蜥蜴』を演じる上で、大変貴重かつ有益な体験でありました。

物語の中で黒蜥蜴が執心していた113カラットのダイアモンド「エジプトの星」にも匹敵するであろう大粒のエメラルドにダイアモンドをあしらったロングネックレスを早朝のスペイン広場にてまとう機会をいただきましたが、宝石商の岩瀬庄兵衛が発した「寶石には不安がつきものだ。不安が寶石を美しくする」という台詞のごとく、3人もの警備員さんが常に目を光らせて、まばゆいばかりに輝くそのジュエリーを見守っていらっしゃいました。
分不相応にも貴重なジュエリーを身に着けさせていただき、その美しさに恐れおののきましたが、その一方で、ページのテーマは「Joy」でしたので、品行方正な態度でジュエリーを前にひれ伏すようではなりません。つかの間ではありますが、身体にぴったりと沿うようにデザインされたジュエリーを存分に楽しませていただきました。

かつてパリの古書店にて求めたジャンヌ・モローさんの写真集では、老齢の彼女がシワだらけの指に大粒のジュエリーを着用した表紙が印象的で、経験を積み、年輪のごときシワが刻まれてこそジュエリーの価値に相応しい人間になれるのだと思えたため、若かりし頃には、ジュエリーにさほどの興味を示すことはありませんでしたが、年齢を重ねるごとに、やはり美しい宝石は美しいのだと感じるようになりました。

三島由紀夫は、生きているもの、血の通ったものを信じることに恐れを抱く黒蜥蜴に「寶石は自分の輝きだけで充ち足りてゐる透きとほつた完全な小さな世界」と言わせました。
黒蜥蜴がエジプトの星を奪おうと試みたように、完全で隙の無い宝石のもつ底知れぬ魅力は、人の心を高揚させ、年齢と共に失われつつある肌や目の輝きを補ってくれるものなのでしょう。

ローマの本店には、映画の撮影の合間に訪れたエリザベス・テイラーが恋人との逢瀬に用いたという秘密の部屋もあり、街中が遺跡のような古い街並みも相まって、ロマンチックな気分に浸っておりました。

BVLGARIの美しいジュエリーは、現在発売中の婦人画報3月号にて掲載中です。ぜひご覧下さいませ。

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